冬といえばカニ! ズワイガニ、タラバガニ、ケガニ…などなど想像しただけでもお腹がすいてきますね。
皆さん知っているようで知らないのですが、カニの種類によって旬の時期などが異なります。
タラバガニなら、4~5月と11~3月。ズワイガニなら、オスは11~3月、メスは11~1月です。
ちなみに、実はタラバガニはカニではなくヤドカリの仲間です。足がその証拠。
カニは10本脚がありますが、タラバガニは8本しかありません。
一方、ズワイガニはまごうことなきカニ。食用として流通しているものは、主にオスです。
産地によってブランド名があり、福井で水揚げされた種類は「越前ガニ」、山陰地方で取れた「松葉ガニ」となります。
今回は、カニの洗い方(下ごしらえ)や冷凍保存の方法をご紹介します。
洗う
カニは鮮度が命です。調理したら、できるだけ早く食べましょう。
生で買ってきたカニを調理する前には必ず水洗いをしてください。
なぜかというと、魚やカニなどの海産物には、腸炎ビブリオ菌と呼ばれる菌が付着している
ことがあるからです。この腸炎ビブリオ菌は塩分のあるところでしか生きられないので、
水道水で洗えば心配ありません。
カニを洗うときは甲羅でけがをしないように、軍手などをつけて、タワシできれいに水洗いしましょう。洗いすぎには要注意。
茹でるときのちょっとしたコツとしては、塩をいれたお湯で茹でることです。
塩水は殺菌効果やぬめりを取るだけでなく、身を引き締める効果が!旨味成分を身に残すためにも、ここがポイントです。
甲羅を茹でるときは、カニみそが固まるようにお腹が上を向くようにして茹でましょう。
茹であがったら、氷水に5分ほどしめると、さらにおいしくいただけます。
プラス、身離れして食べやすくなります。氷でしめた後は、もう一度水洗いしておきましょう。
ここまで生のカニを調理するときの下ごしらえ方法をご紹介しました。
では、茹でたカニや冷凍カニを購入したときはどうでしょうか?
こちらは基本的に、そのまま食べるか、解凍するだけでかまいません。
冷凍
カニを購入した場合、茹でカニや生のカニより冷凍カニが圧倒的に多いかと思います。
最近の通販でも、冷凍カニが多く占めている中、皆さん正しく解凍できていますか?
「高かったのに、身がパサパサで美味しくない!」なんてことがないように、
美味しく食べる解凍方法を今一度確認しておきましょう。
「涼しい場所で自然解凍する」「解凍は8分目程度に」「その日のうちに食べる」
この3つを守って入れば大丈夫です。
冷凍したカニには、生の状態とボイルした状態のカニと2パターンあります。
生の冷凍カニは、短時間で解凍したほうがベストなので流水で解凍しましょう。
もちろん、直接水に流すと旨味は逃げるので密閉できる袋にいれた状態で流水にさらします。
完全解凍するのではなく、8分目程度に溶けた状態が美味しく味わえるタイミングです。
生のカニの場合は黒く変色することがあるので、注意してください。
ボイルした冷凍カニは、冷蔵庫で時間をかけて解凍しましょう。
時間がないから早く溶けてほしいからといって、室温で解凍すると実がパサパサに。
手元に届いたら、乾燥させないように新聞紙やキッチンペーパーで包んた後にビニール袋にいれて冷蔵庫で解凍しましょう。
ちなみに、カニを冷凍する際に乾燥を防ぐため、グレース処理と呼ばれる技術が用いられています。
この膜、解凍の時に大量の水分になるので要注意です。
カニは水に触れると味が落ちかねないため、こまめに水を捨てることをおすすめします。
◯せっかく注文したカニが黒ずんでいるということはありませんか?
安くはない食材ですので、ガッカリしちゃいますよね。
①カニの黒ずみの原因は何なのでしょうか?
『カニのタンパク質が酸化』して起こります。
そのたんぱく質は酵素によってどんどん分解されていきアミノ酸へと変化していきます。
分解されたアミノ酸の中にはメラニンの元にもなる「チロシン」というアミノ酸もあり、これが増えることによって黒変していくのです。
②黒ずんでも食べられるのかな?
黒変したカニは見た目も悪くて食べる気がしないと思えるのですが、黒変したカニでも普通に美味しくいただけます。
黒変する原因のメラニンは、カニを腐敗させているのではなく、ただカニの色を変えているだけです。
そのため黒変してしまっても味や品質に違いはなく、美味しく食べられます。
冷凍の食べ方
市販のカニは大体が冷凍です。
最近は冷凍技術が進んで、冷凍だから不味いということはありません。
その食べ方をご案内いたします。
冷凍されたカニを丸ごと味わうのが『カニ鍋』です。
カニの体内の水分量は、約80%。
冷凍されたカニの解凍してしまうことで、その水分が旨味と一緒に出てしまいます。
よく「自然解凍で召し上がって下さい」というのは、茹でたカニを冷凍したもの。
茹でたカニでも、生のカニでも、区別なく、丸ごとカニを味わうことができるのが「カニ鍋」
①鍋に水を張ったら、冷凍されたカニを鍋に入れて、火にかけます。
②一度沸騰したら、火を止めて、カニを取り出します。
この時点で、カニの出汁が鍋に入っています。
③その中にカニ以外のお好みの野菜やきのこ等を入れて火にかけます。
④取り出したカニは、食べやすい大きさに、調理ハサミなどで切り分けて、(お子様がいらっしゃる場合は殻も取って)皿に取ります。
⑤野菜が茹で上がったら、カニを食べる分だけ鍋に入れて、サッと温まったら、食べ頃。
カニは、火を通しすぎると、スカスカする感じになってしまうので、要注意です。
◯冷凍の賞味期限は、どのくらいなのでしょうか?
カニの種類によっても冷凍保存できる期間は異なりますが、ほとんどが1年間とされています。
業務用の冷凍庫ならば、-30℃近くの低温できちんと冷凍保存できるので、長期間の保存ができます。
しかし、家庭の冷凍庫の設定温度は、-18℃。
さらに、家庭の冷凍庫は開け閉めが多いので、庫内温度が-18℃~-16℃になってしまいます。
庫内の温度が一定になりにくいということがあるので、家庭では1ヶ月くらいがベストだと思います。
家庭の冷凍庫で長期間冷凍保存していると、鮮度や品質が少しずつ落ちてしまうので、早めに食べることをおすすめします。
また、解凍したカニの日持ちは、冷蔵庫で2日間。
解凍した日に食べきったほうが良いですが、保存する際は、乾燥しないようにラップで包んで冷蔵庫で保存してください。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回はカニの洗い方や下ごしらえの方法、冷凍保存の方法についてご紹介しました。
それはそうと、カニの解凍でやってはいけないことが一つ。
急いでいるからと言って電子レンジでチンしてはいけません。せっかくのカニが台無し!
凍らしたものを生の状態に戻すのは、電子レンジ自体あまり得意としていません。
絶対にしないでおきましょう。
カニの水分割合は約50%、美味しく食べるには解凍方法を守ることが命です!
間違った方法でカニを台無しにする前にしっかりと復習しておきましょう。
冬の季節、お鍋が恋しくなる季節ですね。おうち時間が増えている今、
ちょっと贅沢してカニ鍋を食べましょう!
コメントを残す